オレガ別誂グレ50とMAXGAMMAの組み合わせでのインプレッションをしてみよう。

例として40cmほどのグレを取り込むまでだ。
穂先でのあたり取りは、ごく普通である。

合わせを入れてから溜めるわけだが、この溜めが、先調子に慣れている私は胴調子のオレガだと3番から4番が早めに曲がり始める。

これは4本繋ぎゆえ3番の長さを生かした弾力を与えた分だと思う。

故に、グレの顔をこちらへ向ける前に3番が効いてくるのでグレの顔をこちらに向ける際、タイミンを逸してしまうとグレは沖を向いたままのやり取りになってしまうためグレに先手を取られやすい。

また3番の粘りが弱く、軋むほどに3番だけに負担が集中してしまう。

これはいかなる条件下に置いてもこの3番に負担が集中する。

オレガは胴調子故、ビギナーでも魚を獲りやすいと言うメリットはあるのだが、複雑なシモリや磯際などでの良型はやはりバラシやすく同様のSHIMANOのBBXには到底敵わないと言わざるを得ない。

◯メリット
穂先でのあたり取りはごく普通だ。

ガイド合わせの際の滑り合わせは特筆ものであり、ここは他社も見習って欲しい。

ガイドポジションはよりサブリバイドされた配置で、魚を掛けてからのロッドバランスはすこぶる良い。

4本繋ぎの5mロッドで13個のガイド配置はパワーバランスを考慮した、よりワンピースロッドに近づいた感はある。

開発への熱意を感じるロッドではある。

扱いの慣れにもよるが3番4番に乗せる時の曲がりは先調子とは違い、胴の曲がりは力の入れ方でコントロール出来るほど腕の延長のような扱いが出来る。

胴は1.5号の設定であるがさほどパワーあるポテンシャルは感じられない。

細仕掛けも可能でありハリスの負担は多少だが軽減出来る。

◯デメリット

前述したように胴調子ゆえ、掛けてから合わせ、タメの一連の動作においてクイック動作で、更にタイミング良いオペレーションでないと魚は沖を向いたままとなり、やり取りでは水圧過多に陥りやすい。


また、グレが沖に向いているためエラ蓋でのハリス切れやシモリに張り付かれやすい。

胴は1.5号相当であり、このデメリットをカバーする為の号数設定なのであろう。

しかし、この設定だと粘りと剛性は3番に集中してしまう。


これは通常の先調子と釣り比べると明らかに違いを感じ取れる。

故にトーナメントグレードなどの掛けたら獲ると言ったコンセプトではないと言わざるを得ない。

中型までのやり取りでのロッドバランスは良いのだが、この4本繋ぎの胴調子の欠点はハエ根が多い磯では魚を誘導する技術が伴わないと良型は獲り難い感は否めない。

また、4本繋ぎ故、3番に負荷がかかり過ぎ、加重負担が大きく、溜める時は粘りが弱く3番がパツンパツンと言う感は否めない。

よって元竿4番まで乗せると3番が軋み始める。

これでは4本繋ぎのメリットは失せてしまう。

カーボンもX45でカバーされているが、現行シマノのイソリミテッド・ファイヤーブラッドなどのナノアロイ(TORAYオリジナル)のレベルでないと耐えられない様に感じる。


🔴このことをダイワの開発者に質問してみたのだが『負担が掛かからないようにロッドをあまり立てないでください』と言う信じられない内容の回答であった。

4本繋に拘りカーボン素材の剛性と粘りを疎かにした開発者の怠慢と言っても過言ではないと思う。

ダイワも2020年から上位ロッドには、シマノ同様ナノアロイが採用されている。

この4本繋ぎのロッドは僅か2年でカタログから消えていた。


結論は最後になったが、欠陥品と言わざるを得ない。

シマノの磯竿と比較すると2cmほど竿尻が短く、バランサー尻栓を採用しているのだが待ち重り感は否めない。

仕舞い寸法が140cmであり、専用のロッドケースが必要になる。

類似した4本半つなぎの
SHIMANO BB-Xスペシャルをもっと研究して欲しいものである。
◯MAX GANMAラインについて

このラインの特徴は根ズレに強く、通常ナイロンラインの20倍の強さと言う触れ込みであり、確かに硬性は高いレベルにあると思える。

ステルスカラーのネイビーと視認性重視のオレンジのツータイプがラインナップされている。

私は好んでネイビーのステレスタイプを、用いている。

これは海中において魚から見え難いカラーなので、より有利にあつかえると思っているからだ。

曇天などでは確かに見難く、グリーンのマーキングすら見難いこともあるが、ラインのテンション次第でもあたりは取れるのでさほどのストレスにもならない程度だ。

このラインで根ズレをした事はないが、使用後のラインをある程度切ってみるとまだまだ使えるほど硬性はキープされているので、その硬さは通常の20倍と言うのも理解できる。


ある程度の力技でもラインは追随する分は頼りになるポテンシャルはあるゆえ、通常用いているラインよりワンランク低い号数を選べるのはありがたい。

しかし、数回使用するとわかるのだが劣化は否めない。

通常、釣行後は5m〜15m切るのだが、これも同様に扱った方が無難であろう。

これはどんなメーカーの優秀なラインでも克服できないファクターだ。

今後の課題としてはせめて撥水加工がどのあたりまで保てるかだと思う。